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種蒔漆絵折敷
Dining tray with scenes of rice farming (sowing seeds)
中央には 抱えた笊(ザル) から種籾を蒔いている農夫の姿、手前には 風呂敷に包んだ昼餉を用意して待つ家族の風景が描かれています。
田植えや刈取りなど、農作業の一年間の様子をテーマにした連作(本来は5枚もしくは10枚の組み物であったと推測される)の内の1枚。
緑地に漆絵(密陀絵も?)で 一枚づつが図替わりの《農耕図》という非常に特異な存在であり、絵画的にも観察が秀逸で極めて独創的。
また立ち上がりの低い縁を持つ四方の姿も美しく、全体に入念な配慮が行き届いた唯一無二の作である事を鑑みるに、余程 見識ある高貴な数寄者の注文であろうと思われる逸品です。
◆ 方 32,1cm、高 1,8cm
画像5.の左頁2枚の折敷は東京国立博物館所蔵で、本品も長年 同館に寄託されていた、正真正銘のミュージアム・ピースと言えます。
・日本の漆芸 5 中央公論社『漆絵・根来』no.14 所載(画像5.6.7)
・日本の美術 163 至文堂 『漆と漆絵』 7図 所載(画像8)
・旧 東京国立博物館寄託品
☆ ここからはちょっと余談。。。
今から二十数年前、初めて東博で(寄託されていた)この一連の折敷を観た時には、世にこんなモノがあるのかと目が釘付けになったものでした。
それから数年後、ある骨董雑誌の広告にその現品が紹介され、即座に眼ざといコレクターの目に留まり蔵品となり、その方のお宅でまさかの再会!
当時はちょっとした『事件』として一部界隈で話題になったのも懐かしい思い出。風招では数年前にもこの連れの作を扱っており、今回が嬉しい二度目の出逢いとなりました。
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